映画食べ歩きブログ

映画好きの素人感想ブログです

『帰ってきたヒトラー』が大ヒットだー

帰ってきたヒトラーがモノマネ芸人として再び一世を風靡する!

  この設定だけでこの映画がハズレではないことがわかる。どう料理しても面白い設定だ。この設定から、僕は9割コメディーだと思って観に行ったが実際は5割くらいだった。

笑えるところはしっかりある!

「今のドイツのリーダーはデブ女」「緑の党、こいつらだけは評価できる」といったところでは吹き出してしまった。テレビが料理番組だらけという指摘は日本にも当てはまるだろう。こうした笑いの中で、ヒトラーの、現代の社会情勢を捉えた発言や口のうまさに感心させられる。

   だがヒトラーの進撃を楽しんでいると突然後ろから頭を殴られる。むしろ楽しくおしゃべりしてた相手に急に殴られるような感覚だ。

  ヒトラーをモノマネ芸人だと思っている人々からの抗議の声や本人だと思った老婆には悪魔と罵られる。今まで彼の進撃を楽しんでいた僕は後ろめたさを感じた。

人はカリスマが偉大なことをするのを目にしたい!

「人々は私の価値観を心に共有している」とヒトラーが言うとおり、現代人は道徳が支配している今の社会に不満を抱いている。道徳が悪いわけではなく、極端にそれを強いられると反発が生まれる。ドナルド・トランプが人気なのも納得である。

   だから、途中まで笑い事ではないことに気づかなかった。ヒトラーが現代に現れるというのは笑い事ではないのだ。エンディングで実際のデモや暴動の映像を観せられたときに「騙された」と感じた。

こちらを上手く楽しませつつ、社会問題に向き合わせる衝撃が用意された作品だった。

映画館で是非